世界旅に持っていく楽器を考えてみよう 後篇

 

 

前回、世界の旅のお供に持っていく楽器について考えてみたわけなのですけれども。

 

 

「世界旅に適した楽器」とはつまりどういうことなのかはっきりしたことですし、

後篇の今回は世界旅に適した楽器ベスト3を決定してみたいと思います。

 

評価項目は以下でしたね。

歌えるか 演奏しながら歌えるか
電気 電気が必要か
音数 同時に鳴らせる音の数
音域 広いほうが評価高いです。
サイズ 楽器の大きさ。小さいほうが評価高いです。
※機内持込 「サイズ」の補足項目
重さ 楽器の重さ。軽いほうが評価高いです。
頑丈さ 楽器のタフさ
楽器人口 多い=楽器屋の数も多い=技術者の数も多い=壊れてもすぐ直せる
値段 楽器の値段。安いほうが評価高いです。
音の性質 これは好みなので評価には関係ないです。
音量 単純に大きい小さいでは判定しずらかったので、参考情報程度に載せています。

 

お星さまが多いほど「世界旅に適している度合いが高い」ということなので、

例えば「重さ」のお星さまが5つだからと言ってそれは最高に重たいという意味ではなくって、「最高に軽いから世界旅に適していますよ」という意味になりますので頭パーンならないように注意してください。

それでは後篇も張り切って参りましょう。

 

 

 

 

 

 

アコースティック・ギター(アンプ無し)

 

 

 

歌えるか ○

電気   不要

和音    ★★★★

音域   ★★★★

値段    ★★★★★

重量    ★★★★

サイズ  ★★

頑丈さ  ★★

楽器人口 ★★★★★

機内持込 サイズ的には不可

音の性質 弾じく音

音量  普通。弱音器あり。

 

世界旅x音楽の王道。
迷ったらこれ。もはや何番煎じかわからないですけれども。

サイズ的には機内持ち込みできないんですけど、可愛くお願いしてみると航空会社によっては持ち込みできたりするみたいです。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

ナオトのインティライミさん
オンザロードの金丸武文さん
ホンマにいけんのけのシンタロウさん

 

 

 

 

 

ギター(アンプあり)

 

 

 

歌えるか ○
電気   必要
和音   ★★★★
音域   ★★★★
値段   ★★★
重量   ★
サイズ  ★
機内持込サイズ的には不可
頑丈さ  ★★
楽器人口 ★★★★
音の性質 はじく音
音量 超大きい。

 

アンプを一緒に持ち歩く必要があります。

歌う場合はマイクやマイクスタンドなども必要で、機動力は大幅下がります。

旅のお供というよりは、演奏メインで計画立てないと旅が破綻するような気がします。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

そぞろあるきのゾロさん
ゴリラになりたいのケヴィンさん

 

 

 

 

 

 

 

ピアノ

 

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★★★★
音域   ★★★★★
値段   ★
重量   ★
サイズ  ★
機内持込 わかるでしょ
頑丈さ  ★★★★★
楽器人口 ★★★★
音の性質 弾じく音
音量    やや大きい

 

和音もいけて歌も歌える。音域も7オクターブ出せるしで全方位弱点なしの万能楽器。

旅という括りがなければ間違いなく最強の楽器です。

しかしながら、この楽器を飛行機に乗せて世界を廻るのは完全に不可能なので、取り敢えずこのへんで。さよなら。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

そんなやついねえよ

 

 

 

 

 

シンセサイザー

 

 

 

 

歌えるか ○
電気   必要
和音   ★★★★★
音域   ★★★★★
値段   ★★★
重量   ★★
サイズ  ★★
機内持込不可
頑丈さ  ★★★
楽器人口 ★★★★
音の性質 様々
音量   大きい

 

楽器としての優位点は和音、音域、歌といずれもピアノとほぼ同等です。

それに加えて、シンセサイザーは様々な音色を鳴らせます。これはデジタル楽器のいいとこですね。

 

道端で鍵盤を弾くストリートミュージシャンをたまに見かけますが、もれなくスピーカーを持ち歩いているようです。

楽器自体も大きいので、持ち運び移動はそれなりに大変と思いますよ。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

わたしは知らない。

 

 

 

 

 

バイオリン

 

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★★
音域   ★★★★
値段   ★★★★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★★★
機内持込 可!
頑丈さ  ★★
楽器人口 ★★★★
音の性質 伸びる音
音量 普通~やや大きい。弱音器あり

 

ニ和音から擬似的とは言へ四和音もいけちゃうずるい楽器。

音色にもクセがなくクラシックからロック、カントリー、ポップス、果ては民族音楽と幅広いジャンルに飛び込み可能。ずるい!

軽くて機内持ち込みも可能。音域も広いし音量もそこそこですし。ずるいずるい!

当然僕もこの楽器で世界を廻りたかったのですが、しかしながらこの楽器は人を選びます。

脂ののった魔法おじさんが悦に浸り目をつむってねっとりバイオリン弾く姿はきっとキモいんだと思います。

そんな自分の未来の姿を想像して僕は2ヶ月でバイオリンを諦めました。

この楽器が似合うのは女の子か欧州のジェントルか美少年だけです。少なくとも魔法おじさん向けの楽器ではなかったです。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

世界一ポジティブな日々のナナコさん
ヴァイオリンと世界一周のHIDEさん

 

 

 

 

 

 

 

トランペット

 

 

 

歌えるか ×
電気   不要
和音   ★
音域   ★★★
値段   ★★★★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★★★
機内持込 可!
頑丈さ  ★★★★
楽器人口 ★★★
音の性質 伸びる音
音量 大きい。弱音器あり

 

電気を必要としないアンプラグド楽器で最高レベルにでかい音が鳴らせる楽器のひとつです。

そのくせ軽くて小さい、飛行機内に持ち込みもできるので機動力は非常に高いです。

ただ、僕もサックスから浮気をして一ヶ月くらい吹いてみましたが、音を出すだけでも難しかったです。

トドメにYAMAHA体験レッスンの先生が無礼で腹を立てたわたしはレッスン後の感想文に思いの丈を存分に書いてスッキリしたあとはトランペットを庭に埋めて金輪際この楽器を吹くことはありませんでした。

構造が比較的シンプルなので、ちょっとぶつけるくらいでは壊れそうな感じはしなかったので、ハードな世界旅には向いてるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

クラリネット

 

 

 

 

歌えるか ×
電気   不要
和音   ★
音域   ★★★★
値段   ★★★★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★★★
機内持込 可!
頑丈さ  ★
楽器人口 ★★★
音の性質 伸びる音

3つに分解してケースにしまえるのでコンパクト。そして軽い。もちろん機内持ち込み可能。

3オクターブと音域も充分でこれまた浮気をして1ヶ月くらい試してみました。

サックス育ちの僕にとってお作法の似ているこの楽器はすぐに馴染むことができて、体験レッスンでやって来たムチムチな先生に「サンダーストームさんすごいすごい!これならすぐうまくなるよ!趣味でやる分には申し分ない!!」と最高の褒め言葉をいただき、この段階で世界旅のお供はサックスじゃなくてクラリネットが最有力でした。

 

 

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

 

 

 

 

クラリネットには大きな大きな弱点のあることが判明します。

 

クラリネットは木でできているんですが、急激な温度差や湿度差に弱く、下手をするとその時点でひび割れてしまうのだそうです。

世界旅に持ち出すとなれば、日光のもと演奏することもあるでしょう。亜熱帯の湿気にさらされることもあるでしょう。俺にも吹かせてくれよと奪い取られそうになって潔癖症のわたしは全力で拒否することもあるでしょう。

その都度、いちいちひび割れてしまうような箱入り前の嫁入り娘みたいなののようではちょっと僕の幾分に荒々しい世界旅にもっていくにはちと心許ないなあと。

 

楽器屋さんのお姉さんに「それじゃあプロの人達は屋外のイベントの時とかどうしてるんですか」なんて尋ねるのですが、

クラリネットのプロはそんな外のお仕事とかしないんだってー。ほんとかな。

 

一応プラチックでできたクラリネットもありまして、灼熱の甲子園でブラスバンド達はそれを使ってるという話なのですが、音色は木でできたそれには到底かなわないのだとか。

 

泥臭く道端でプレイするスタイルの僕には残念ながらまったく真逆の楽器でしたが、

屋内オンリーで演奏するスタイルのプレイヤーであれば有効な選択肢の一つになることでしょう。

 

 

 

 

 

二胡

 

 

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★
音域   ★★
値段   ★★★★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★
機内持込サイズ的には不可
頑丈さ  ★★★★
楽器人口 ★
音の性質 伸びる音
音量 小さい。弱音器あり

 

完全に僕の個人的な都合ですが、前に習っていたので入れてみました。

和音も一応鳴らせるんですが、弦が2本しか無いので最大でも2和音、さらに5度(鍵盤4個分隣の音)固定と自由度はありません。

音域も頑張って2オクターブと、楽器の機能としてはミニマムです。

やっかいなのは楽器の一部にニシキヘビの皮を使っているため、ワシントン条約にひっかかり、空港で最悪没収になってしまうのだとか。

音色はとても好きな楽器なのですが、世界旅のお供にはちと難しいようです。

 

 

 

 

 

 

馬頭琴

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★
音域   ★★★★
値段   ★★★★
重量   ★★★★
サイズ  ★★
機内持込 不可
頑丈さ  ★★★
楽器人口 ★
音の性質 伸びる音
音量 やや大きい。弱音器あり

 

草原のチェロ?と呼ばれているこの楽器。音色だけで言うと僕の一番好きな楽器かもしれません。

しかしながら、馬頭琴はお股に挟んで演奏する楽器なのですが、僕の挟み方が悪かったのか、段々足がしびれてくるんですよね。

そんな体に優しくなかったこともあり断念した楽器です。

サイズは大きめで、分解すれば機内持ち込みも不可能ではないよという噂を聞きつけ試してみましたが、バラしたはいいけど組み立てに2時間かかったあげくに元通りに直せるかヒヤヒヤだったので諦めました。世界旅のお供には向いてないかなって思いました。

音色は大好きなだけに、残念(´・_・`)

 

 

 

 

 

 

アルトサックス

 

 

 

歌えるか ×
電気   不要
和音   ★
音域   ★★★
値段   ★★
重量   ★★★
サイズ  ★★★
機内持込多分可
頑丈さ  ★
楽器人口 ★★★
音の性質 伸びる音
音量  大きい。

 

世界旅ではないですが、僕はフィリピン留学に持っていきました。

機内持ち込みサイズはギリギリオーバーしているのですが、ギリギリなだけあって今のとこ持ち込み出来ています。

 

作りは精密なので衝撃に弱く、まっすぐにしか泳げないくせにちょっとぶつかったら死んでしまうマンボウみたいに脆弱です。

リードという板ガムサイズの木の板でできている、それがないと演奏できないパーツがあるのですが、超重要なパーツなくせして早いと2,3週間でヘタって使い物にならなくなる消耗品だったりして、そのメンテ維持も面倒くさいです。

和音も鳴らせない歌も歌えない、そんな不器用な楽器ですけれどもこの楽器をもって世界を廻る尊敬すべき旅人の親の顔が見てみてえや。

 

この楽器を持って世界を廻る(廻った)旅人

世界一周ストリートライブの旅の小野雅也さん

 

 

 

 

 

 

 

 

ウクレレ

 

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★★★
音域   ★★
値段   ★★★★★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★★★
機内持込 可!
頑丈さ  ★★★★
楽器人口 ★★
音の性質 弾じく音
音量 小さい。弱音器あり

 

弾いたこと無いのでまったくわかりませんが、あの大きさから想像するに持ち運びは容易だと思います。

ただ音は小さいので、演奏する場所を選ぶかもしれません。お力になれずすみません。

 

 

 

 

 

ベース

 

 

 

歌えるか ○
電気   必要
和音   ★★★
音域   ★★★
値段   ★★★
重量   ★
サイズ  ★
機内持込 不可
頑丈さ  ★★
楽器人口 ★★★★
音の性質 弾じく音
音量 大きい(アンプ時)

 

アンプに繋いでなんぼの楽器なので、ベース自体の大きさと重さもあって機動力は低いです。

ベース単体では音楽として成立し難いので相方を見つけるか、セッションに飛び込んでいくかする必要があります。

ベース持って世界を廻った林勇太郎さんも移動や相方探しにだいぶ苦労してましたね。

世界旅のお供にするには、中々ハンデのある楽器といえるでしょう。

 

この楽器を持って世界を廻った旅人

世界一周ストリートライブの旅の林勇太郎さん

 

 

 

 

 

 

 

アコーディオン

 

 

 

歌えるか ○
電気   不要
和音   ★★★★★
音域   ★★★★
値段   ★★
重量   ★★
サイズ  ★★
機内持込 概ね可
頑丈さ  ★★★
楽器人口 ★★
音の性質 伸びる音
音量 普通?

 

欧州大陸のストリートミュージシャンでよく見かける気がします。

和音鳴らしながらメロディーも弾いてて随分と器用なんだなあと思って聴いていたのですが、後で知った事実なのですが、「和音ボタン」なるものがあって、それをポチッと押すだけで、鍵盤を3つも4つも押さまえなくっても和音が鳴らせるらしいです。ずるい。

楽器の重さは5~10kgほどと軽くはないのですが、和音を本格的に鳴らして歌が歌えちゃうという機能性の高さは、重さのハンデを差し引いてもお釣りがくるのではないでしょうか。

 

この楽器を持って世界を廻る旅人

知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

サンダーストーム的、世界旅に適した楽器ベスト3

 

なんだかキリがなくなってきたので、ここらへんで旅のお供にベストな楽器3選、発表したいと思います!

 

 

3位 アコーディオン

和音をきっちり鳴らせて、歌も歌えるという機能の高さで3位にさしてもらいました。

ピアノやエレクトーンなど鍵盤経験者のみなさまはこちらでどうぞー!!

 

 

 

2位 アコースティックギター

機能的には文句なし。だけどちょっと大きいので、2位!

 

 

1位 バイオリン

喉は空いてるので一応歌うことも出来るんですが、人間の声に一番近い音色を持つこの楽器に関しては、歌はそんなに必要ないかなあと思います。

楽器の音色だけで魅せられるそんなバイオリン、旅のお供にみなさんもどうぞー!!

 

 

 

 

 

と、いうわけで

 

世界旅に持っていく楽器を考えよう後篇、いかがだったでしょうか。

共に旅をするということで単純に音楽的な面だけでなく、移動や気候、修理やメンテナンスのことなど、いろいろな方面から考える必要がありましたね。

少なからず荷物が増えてしまうことになり、楽しいことばかりではないかもしれませんが、旅に「音楽」というカレーで言うらっきょうのような、沖縄で言へばハイビスカスのような、そんな彩りを加えてくれることは間違いありません。

世界を音楽で彩りたいと考えている人も、まったく考えていない人も、もう誰でもいいよ、今回の記事を参考にして、是非とも文化的で洗練された世界旅にしていただけたら幸いでございます。

 

最後に、さんざん煽っておきながらベスト3にも入っていない、僕が世界旅に持っていく楽器をご紹介して、「結局のところ、好きな楽器持ってったらエエねん」とズッコケて本日は締めくくりたいと思います!

 

ソプラノサックス

 

 

 

歌えるか ×
電気   不要
和音   ★
音域   ★★★
値段   ★
重量   ★★★★★
サイズ  ★★★★
機内持込 多分可!
頑丈さ  ★
楽器人口 ★★
音の性質 伸びる音
音量 大きい

 

 

( ズコー )

 

 

 

 

以上、世界旅には結局好きな楽器を持っていこう!でした。






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